公式記録・観戦記

1999 Jリーグ ディビジョン2 第30節

1999/10/11 14:00キックオフ 栃木県グリーンスタジアム
[入場者数]1,595人 [天候]晴、無風、23.6℃/52% [ピッチ]全面良芝、乾燥 [試合時間]90分

大宮アルディージャ 0(0−0)
(0−2)
2 ベガルタ仙台
得点47分:ニクソン
60分:阿部

白井 淳GK石川 研(遅延)

氏家 英行
奥野 誠一郎
(ラフ)ヤン
岡本 隆吾
DF斎藤 克幸
ドゥバイッチ
山路 嘉人
御厨 景

宮下 真洋
浮氣 哲郎
岩瀬 健
佐藤 昌吉
マーク
MF千葉 直樹
ニクソン
パウロ・エンリケ
千葉 泰伸

磯山 和司FW中村 学
平 聡

渡辺 英豊(GK)
(反スポーツ)斎藤 雅人(DF)
小阪 昭典(MF)
上村 祐司(MF)
佐藤 太一(FW)
SUB高橋 範夫(GK)
渡辺 佳孝(DF)
越後 和男(MF)
瀬川 誠(MF)
阿部 良則(FW)

浮氣→斉藤[69分]
佐藤(昌)→佐藤(太)[74分]
交代[45分]千葉(泰)→阿部
[79分]中村→越後




観戦記


見事な秋晴れ、日なたにいると汗ばむくらいの好天に恵まれた栃木グリーンスタジアム。何で栃木で行うのかは不明だが、今回の対大宮戦は大宮のホームゲーム。前節は最下位の甲府相手に苦しみながらもVゴール勝ちしたベガルタ、果たして連勝なるか・・・

スタメンは上記の通り。DFラインは再び左に御厨、右に斎藤の布陣になった。

試合は立ち上がりからベガルタペース。ボールはほとんどベガルタが保持、おまけに気合の入ったゴール裏の応援とあいまって、どっちがホームチームなのかわからない状態(笑)。(実際サポーターの数はベガルタの方が多かったような・・・)
前半20分あたりからようやく大宮が盛り返すが、両チームとも決定的なチャンスが作れず、まったりと試合は進行する。仙台の攻撃は前線(平)への縦パス、時々サイド攻撃というパターンだが、縦パスはあまり成功せず、サイド攻撃も左の御厨、千葉(泰)が活発に動くのだが、最後が決まらない。一方、大宮は基本的には1トップの磯山へとボールを繋ぐ攻めだが、ドゥバイッチと山路を中心にDFラインがいい働きをしてチャンスを作らせない。この試合全体を通じてベガルタのDFは安定していた。

後半開始からベガルタは千葉(泰)に替えて阿部を投入。開始直後の大宮の出足はかなり気合が入った感じだったが、ベガルタも負けてはいない。阿部の投入で前線の動きが良くなった。後半2分、コーナーキックのチャンス。エンリケのCKをニクソンがボレーシュート。これがきれいなループを描いてゴールに吸い込まれ、鮮やかに先制。ここ2、3試合ツキのなかったニクソンだが、ついに決めてくれた。よかったよかった。

この後しばらくはベガルタペース。しかし、一応ホームの大宮も徐々に盛り返し、後半10分あたりからは大宮が押す展開。しかし、ゴール前までボールは行くものの決定的なチャンスにはほとんど至らない。
そして、後半15分、再びコーナーキックののチャンス。エンリケのCKは一度ははじき出されるが、中村が拾って左サイド後方から右サイドへ再びクロスを上げる。これを受けた阿部がきっちり蹴りこんで2点目。阿部の復活ゴールにサポーターは大喜び。

ここからは圧倒的にベガルタペース。ゴール裏から「やりたい放題!」コールがあがるほど押しまる。決定的なチャンスも何度かあり、もう1、2点入ってもおかしくなかった。大宮も反撃を試みるが、ベガルタのDFは安定していた。ただし、イージーなショートパスからピンチを招きかけた場面が何度かあったのはいただけない。相手が相手なら(28節の川崎戦のように)やられていたかもしれない。この辺は今後の課題だろう。

課題は残ったものの、久々の快勝で連勝。阿部の動きが前節よりも上向き、このことが前線(特にエンリケの動き)に活気を与えていた。DFも清水体制になってから随分安定してきて2試合連続完封。今後が楽しみだ。
[ボランティア記者:神林]




快晴で風がなく、ピッチの緑がまぶしい栃木グリーンスタジアム。
アウエイゲームにも関わらず、ホーム大宮に負けないほどのベガルタサポが詰めかけた。

前半は緊張感なくただ時間が過ぎていく。
両チームともほぼ同じシステムを使っているためか、サイドを使ったり、長いボールをFWに当てたり同じような攻撃を繰り返し、時々相手ゴール前に迫るもののフィニッシュの形にならない。
目立ったのは、左サイドでの泰&御厨と宮下&氏家の主導権争いぐらいで、危ない場面もない代わりに、決定的な場面も見られなかった。

後半開始から両チームとも選手の動き変わり、展開が早くなる。
ベガルタは後半から入った阿部が右、パウロが左にポジションを取り2人でチャンスを作る。
先取点はこのコンビで得た後半最初のCK、パウロの早いボールにニクソンが飛び込み、右のアウトサイドで綺麗に合わせゴール!
しかし、先取点を許したことで積極的に攻める大宮に5分過ぎから10分間ほど押し込まれ、自陣での攻防が続く。
この間大宮は4回連続でCKを得、ショートコーナーを織り交ぜながら、何とかベガルゴールをこじ開けようとするが、守備陣が冷静に対応し得点を与えない。
追加点のきっかけはドゥバイッチのFK。平が頭で落とし、阿部からパウロへ絶妙のスルーパス、DFに防がれたが後半2度目のCKを得る。
一旦はDFに跳ね返されるものの、学が拾いミドルシュート。これが反対側にいた阿部に渡り、狙いすました力強いシュートがGKの手を弾いてゴールイン!

この後はパウロが中盤でボールを奪う場面が多くなり、個人技で大宮DFを翻弄する。
追加点には至らなかったが、大宮の逆襲を押さえ込むには十分であった。
また前線でボールをキープ出来る選手が2人になったことで、他の選手への負担が減ったためか、直樹や斉藤の積極的な攻撃参加も見られた。

終わってみると、4月の借りを返したような余裕の勝利。
これまでの反省から、体力を温存し、後半から勝負をかける作戦だったとも考えられる。
これにより、先取点後、中盤のバランスが崩れて訪れた長いピンチの時間帯にも集中力が切れず、流れを引き戻すことができたのではないだろうか。
この試合のMVPはパウロであろう。セットプレーでのニクソンとのコンビは今後期待大である。
また2点目は、きっちりと決めた阿部もさすがであるが、学がフリーだったパウロにパスを出さず、自分で積極的にシュートを打ったところがポイントだと思う。
逆に前節まで3連勝してきた大宮であるが、攻撃陣に力強さやスピードがなく、ドゥバイッチと山路に押さえ込まれ最後まで攻撃の形が作れなかった。

今後のベガルタの戦いに期待が膨らむ試合内容。次節是非連勝を延ばして欲しい。
[ボランティア記者:和田]