公式記録・観戦記

1999 Jリーグ ディビジョン2 第27節

1999/9/20 14:03キックオフ 仙台スタジアム
[入場者数]5,202人 [天候]曇、無風、24.6℃/75% [ピッチ]全面良芝、乾燥 [試合時間]90分

ベガルタ仙台 1(1−0)
(0−3)
3 FC東京
28分:エンリケ得点58分:アマラオ
60分:アマラオ
85分:アマラオ

石川 研GK鈴木 敬之(反スポーツ)

斎藤 克幸
ドゥバイッチ
山路 嘉人
渡辺 佳孝
DF梅山 修(ラフ)
サンドロ
小峯 隆幸
藤山 竜仁

千葉 直樹
ニクソン
(ラフ)エンリケ
千葉 泰伸
MF浅利 悟
新條 宏喜
佐藤 由紀彦(反スポーツ)
アウミール
岡元 勇人

中村 学
平 聡
FWアマラオ

高橋 範夫(GK)
中島 浩司(DF)
佐藤 浩章(MF)
今川 元樹(MF)
瀬川 誠(FW)
SUB仁田尾 博幸(GK)
山尾 光則(DF)
小池 知己(MF)
鏑木 享(FW)
榎本 潤(FW)

千葉(泰)→中島[62分]
中村→瀬川[72分]
交代[32分]浅利→小池
[45分]岡元→鏑木




観戦記


やたらに故障者の多い今年のベガルタだが、ついに希望の星・財前が全治10ヶ月のケガで今季絶望・・・。こうなるともはや何かに呪われてるとしか思えない・・・もしかして「ベガルタ仙台」は「ブランメル仙台」より名前ウラナイ的に良くない名前だったのであろうか? (苦笑)
メンバー的には一向に上向かない状況の中、迎えるは現在首位のFC東京。ベガルタも清水体制になってから徐々に勝負強さを身につけ始めている。強敵相手にどんな試合を見せてくれるのか・・・

メンバーは上記の通り。石川がついに先発復帰。若手2人がサブに入ってるのが注目。

試合は東京ペースで始まる。東京はメンバー上はアマラオの1トップだが、攻撃時には中盤の選手が積極的に前線に飛び出し、分厚い攻撃を見せる。個人技も組織もベガルタを上回っており、非常に怖い。対するベガルタはボールへの積極的な詰めと、石川の好守でなんとか耐える。これが功を奏してか、時間が経つにつれてベガルタの攻撃のリズムが良くなっていった。前半20分にはニクソンが、25分には中村がそれぞれバー直撃の惜しいシュートを放つ。この頃から、中盤でのルーズボールもほとんどベガルタが拾い、かなりいいリズムを作り出せるようになった。そして前半28分、平がDFのボールを奪い、これを拾ったエンリケがペナルティエリアへ突進。たまらず東京GKがエンリケを倒し、PKを得る。これをエンリケがきっちり決めて先制!
その後は東京が盛り返し、かなり押されるが全員守備でなんとか前半を無失点で切り抜ける。

前半のベガルタは、全ての選手がボールに積極的に詰めて行くことで、好守ともいいリズムを作り出していた。個人技・組織とも上回る相手には、おそらくこれしかないという戦法。後半も同じプレーを維持できれば勝てるだろう。しかし、果たして体力が持つかどうか・・・やや飛ばし気味だったのががちょっと不安。

後半、案の定ベガルタの動きは重くなり、東京に押されっぱなしの展開になる。それでもなんとかしのいでいたのだが、後半13分、ゴール前のクリアミスからピンチを招き、 渡辺がペナルティエリア内で痛恨のファウルを取られ、PKに。(個人的には「なんであれが?」という感じだったが。もしかしてバランスのため?)これをアマラオに決められて同点。

ここまではまだ良かった。しかしこの直後、DFラインの一瞬のスキをつかれ、カウンターからアマラオに独走されてあっというまに逆転される。同点になってから2分も経ってないよ・・・(泣)。呆然とするスタジアム。

この後は、完全にベガルタが押されていた。前半のような積極的なボールへの詰めはもはやなく、中盤はスカスカで東京にいいようにボールを回される。攻撃も、途中交替の中島が広いスペースに走っていいポジショニングをする場面が何度かあったのだが、何故かそちらにはボールが行かず、狭い方へ狭い方へという例の攻撃の癖が顔を出してことごとく失敗。
押されているうちに集中力も切れたのか、30分過ぎあたりからはDFもボロボロに。そして後半40分、ドゥバイッチのバックパスを走り込んできたアマラオが拾う。慌てて詰めた石川もかわされ、完全に無人になったゴールにおちょくられシュートを決められて、3失点目。アマラオにハットトリックを達成される。この後はあまり見るべきところもなく試合終了。

残念ながら、東京は個人技(フィジカル、体力的な面も含めて)・組織ともにベガルタを上回っていた。特に、選手の視野というか、フィールドの使い方は印象的だった。ベガルタが「なんであっちに出さないんだー」という攻めが多い(特に後半、疲れのせい?)のに対し、東京は「ここに出されたらヤバい」というポイントをほぼ確実に衝いてくる。ベガルタがこのへんの差を解決できるようになるのはいつの日か・・・
[ボランティア記者:神林]




前日からの雨も上がり、薄日が差す仙台スタジアム。
財前が10ヶ月の怪我との報に、仙台スタジアムは観客も少なめの5200人。
GKは研さんが復帰、ミクの穴はナベ。

首位の東京を迎え予想ができたことだが、東京が押し気味の展開で幕をあける。
3,4,5分と立て続けに押し込まれ、特に5分には東京の選手が中央2人もフリーに。ここは研さんが飛び出してシュートをブロックし、事無きを得る。どうも仙台DFは東京のFWを自由にし過ぎのようだ。

仙台のチャンスは8分過ぎ、サイドのカツのクロスをヤスが折り返す。シュートには至らなかったが、初めての形になった攻撃。このあたりを境に仙台の中盤が積極的にチェイシングを繰り返し(特にパウロ)、仙台がペースをつかんで行く。DFも高い位置でプレーし、積極的にオフサイドを取る。そして18分中盤でボールを持ったニクソンが猛然とドリブルを開始、突破して中央からシュート。惜しくもポストだったが、その後も波状攻撃を繰り返す。27分にも学のシュートがポストに阻まれ、今日も運に見放されたかと思った28分、平が粘ってパウロにつないだところ、GKが引っ掛けてPKを得る。パウロが落ち着いて決めて仙台願っても無い先取点を得る。

その後も仙台ペースで試合は進み、東京が逆に戸惑っているような展開。
ゴール裏も絶好調で、大音量での応援が続く中、仙台のリードで前半終了。
少々へばってきているのが気になるが・・・

後半も序盤は仙台ペース。
3,5分とコーナーやフリーキックのチャンスが続く。東京は積極的に選手を交代させ、運動量をふやして対応。
仙台に疲れが見え始めるとともに、東京が押し気味になって行く。7分、10分と東京に押し込まれた後、13分、東京のFKから迎えたピンチの中で、ナベがペナルティエリア内で相手を倒してしまう。ボールの無いところでのプレーだっただけに選手もゴール裏も茫然自失の中、アマラオが決めて同点。仙台スタジアム意気消沈。

くらいムードを重い足とともに引きずる中、15分には東京のカウンターにDFが対応できず、1‐2。
その後も東京の猛攻が続き、石川がファインセーブで防ぐ展開。仙台もこーじ、瀬川の投入でペースを変えようとするが、直樹、パウロ、そしてDF陣の足が完全に止まってしまう。瀬川の突破でチャンスをつかんでも、コーナーを得るのがやっとで、上がりも下がりも遅い。そして40分、ドゥバのバックパスがアマラオに奪われ、まさに”屈辱”の3点目・・・そのまま試合終了。

監督はじめ数多くの人が指摘しているように、後半、スタミナとともに仙台の命運は尽きた。
一言付け加えるなら、1点取られて意気消沈してしまった仙台の応援。
清濁併せ呑む覚悟があるなら、もう少し雑草のような強さが欲しい。
ブーイングも野次もかまわないが、あそここそが応援の力を見せる機会だった。

選手も、応援も、前半の勢いは本物だと信じたい。
[ボランティア記者:かば蔵]