公式記録・観戦記

1999 Jリーグ ディビジョン2 第20節

1999/8/7 19:00キックオフ 仙台スタジアム
[入場者数]8,259人 [天候]晴、弱風、27.0℃/79% [ピッチ]全面良芝、乾燥 [試合時間]90分

ベガルタ仙台 0(0−0)
(0−3)
3 川崎フロンターレ

得点62分:伊藤
67分:ツゥット
71分:ツゥット

高橋 範夫GK浦上 壮史

斎藤 克幸
山路 嘉人
ドゥバイッチ
御厨 景
DF森川 拓巳
佐原 秀樹
川元 正英

中島 浩司
今川 元樹
エンリケ
財前 宣之
MF大塚 真司
高田 栄二
久野 智昭
伊藤 彰
岩本 輝雄

中村 学
(ラフ)平 聡
FW浦田 尚希
ティンガ

大崎 常喜(GK)
渡辺 佳孝(DF)
伊藤 壇(MF)
瀬川 誠(MF)
高田 純(FW)
SUB境 秋範(GK)
土居 義典(DF)
大石 鉄也(MF)
桂 秀樹(MF)
ツゥット(FW)

今川→瀬川[40分]
平→高田[70分]
エンリケ→伊藤[75分]
交代[49分]浦田→ツゥット
[63分]伊藤→桂
[76分]岩本→大石




観戦記

前回のホームゲーム(第16節:対新潟戦)から約一ヶ月、その間にベガルタは大きく揺れた。後半戦最初のホームゲーム:対川崎フロンターレ戦は仙台七夕の日、すなわち「ベガルタ」由来の日である。新生ベガルタを応援しようと約8000人のサポーターが集まった。(ついでに、ニュースステーションでおなじみの川平滋英も来た。)ベガルタは清水監督の新体制下、この記念の日にふさわしいゲームを見せてくれるだろうか。

スタメンは上記の通り。システムはこれまでの3−5−2から4−4−2へ変更。エンリケ、財前の新加入選手に加え、若手の今川の起用が注目される。

試合開始直後は、選手たちもかなり気合が入っているように見えた。そのせいか、前半20分頃まではほぼ五分五分の展開。しかし、現在首位・地力で勝る川崎が徐々にゲームを支配しだす。前半30分頃からは完全に押される展開。それでも最終ラインがふんばってなんとか持ちこたえ、ベガルタにも惜しいチャンスがあった(中村のバー直撃シュート)。前半40分過ぎからはほとんど防戦一方で、いつ失点してもおかしくない展開になるが、なんとか無失点でしのぎきる。

新戦力のエンリケと財前は、周囲とのコンビネーションはまだまだのようだが、それでも随所にさすがという感じのプレーを見せてくれた。一方、初スタメンの今川は危ないミスが何度かあってあまりぱっとしない。結局、前半途中で交替してしまった。今後に期待したい。

さて、後半。相変わらず川崎に押されまくる展開で、いつ失点してもおかしくない感じ。そしてついに後半17分、度重なる猛攻にDF陣の集中力が切れる。ペナルティエリア付近での川崎の早いパス回しにDF陣がついていけず、棒立ち。結局伊藤に決められて1失点目。

ここで気落ちしてしまったのか、スタミナ切れなのか、ベガルタの元気がなくなる。後半22分、後半26分と立て続けにツゥットに決められる。失点はいずれも周囲がツゥットにプレッシャーをかけに行かなかった(行けなかった?)ところをフリーで打たれたもの。いずれも敵ながら見事な技ありシュートだったのだが、やはり危険なFWをフリーにさせてしまったDF、MF陣の責任は重いだろう。3失点後は、完全に切れたのか、ベガルタに雑なプレーが目立つようになる。そして試合終了。

またしてもホーム初勝利はお預け、ついに12連敗となってしまった。それでもいままでのゲームと違い、攻撃をしのいだ後にきれいなカウンターの形を作ることができるようになったのは収穫か。これはまぎれもなくエンリケと財前の力によるもの。特に財前は後半に決定的なチャンスを作る(パスを受けた平が例によってコケて得点にならなかったが)など、印象的な活躍だった。今後阿部が復帰して、コンビネーションが向上したら大いに期待できそう。清水監督の選手交代術は、この試合を見る限りでは早めに積極的に動くタイプのようで、この点も新鮮だった。
[ボランティア記者:神林]