公式記録・観戦記

1999 Jリーグ ディビジョン2 第16節

1999/7/4 14:00キックオフ 仙台スタジアム
[入場者数]8,813人 [天候]晴、弱風、27.0℃/51% [ピッチ]全面良芝、乾燥 [試合時間]90分

ベガルタ仙台 0(0−1)
(0−2)
3 アルビレックス新潟
得点38分:鳴尾
57分:リカルド
66分:サウロ

高橋 範夫GK吉原 慎也

(阻止)花山 英二
ドゥバイッチ
(ラフ)渡辺 佳孝
DF木澤 正徳(反スポーツ)
セルジオ(ラフ)(ラフ)
柴 暢彦
中野 圭一郎

千葉 直樹
ニクソン
中島 浩司
蓮見 知弘
千葉 泰伸
MF瀬戸 春樹
筒井 紀章
水越 潤
リカルド(遅延)

中村 学
(ラフ)高田 純
FWサウロ
鳴尾 直軌

石川 研(GK)
山路 嘉人(DF)
越後 和男(MF)
平 聡(FW)
瀬川 誠(FW)
SUB木寺 浩一(GK)
藤田 慎一(DF)
池田 誠(MF)
小林 高道(MF)
鈴木 慎吾(FW)

蓮見→越後[62分]
高田→平[69分]
ニクソン→瀬川[72分]
交代[66分]サウロ→鈴木
[72分]リカルド→藤田
[79分]筒井→小林




観戦記


6月の中休み後、初のホームゲームとなった第16節、対新潟戦。なんでもいいからとにかくホーム初勝利が欲しい、欲しい、欲しい、欲しい、のだが・・・

スタメンは上記の通り。ナビスコカップ(対広島戦)の負傷以来、実に3ヶ月ぶりにニクソンがスタジアムに復帰。ドゥバイッチも復帰してようやくメンバーが・・・と思いきや、チーム得点王の阿部、そして5月後半にはめざましい活躍を見せた御厨が怪我で欠場、なかなかベストメンバーにならないのが苦しいところ。

試合は序盤からベガルタペース。ミスは散見されるものの、一時期に比べるとかなり中盤が組織できるようになり、優位に試合を進める。特に左サイドの中島はいい働きをしていた。しかし、ゴール前までは比較的スムーズにボールを運べるものの、そこからがいけない。ペナルティエリア付近でもたもたとボールを回すうちにチャンスを逃すケースが多く、あまり得点の気配がしない。

前半20分過ぎからは、新潟もチャンスを作るようになり、ほぼ互角にチャンスを作りあう展開。それでも全体的にはベガルタ優勢だった。しかし38分、そろそろ疲れが見え始めたDF陣が、新潟の速攻を防ぎきれず、FW鳴尾に決められて失点。(鳴尾にボールが渡る直前のプレーで渡辺がファウルを受けたようにも見えたのだが・・・)。このまま前半終了。

後半は、序盤から新潟ペース。しかも後半開始間もなくの05分には、ラフプレーからあわや乱闘という展開になり、敵味方にイエローが乱れ飛ぶ不穏な展開に。後半は、ベガルタの運動量が落ち、新潟のスピードに乗った縦への突破を防ぎきれずにピンチを招く場面が繰り返される(GK1人に3人のフリーな選手が走り込んでくる、なんて場面もあった)。ベガルタも以前に比べれば中盤が改善されているので、そこそこペナルティエリア付近まではいけるのだが、そこからが・・・(以下、繰り返し)。

そうこうしている内に、57分にはペナルティエリア付近でのFKを直接決められ2失点目(これは敵ながら見事なゴール)。さらに66分には、新潟の早い攻めにDF陣とGKが完全に振り切られて3失点目・・・。(ここで筆者はあきらめモードに突入。以下の文章はややネガティブになっています。)

後半22分、新潟のDFの要セルジオが2枚目イエローで退場。ベガルタは数的優位に立つ・・・のだが、相変わらず攻めが遅く工夫がないため、ボール支配率こそ優勢になるものの、ちっとも得点の気配がしない。ゴール前に人数はいても、みんなDFラインに埋もれてボールを待ってるので、ことごとく跳ね返される。これに対し新潟は、数こそ少なくなったものの、シンプルなパス交換から早い突破をみせ、たびたびベガルタをピンチに陥れる。なぜベガルタはああいうシンプルで早い攻めができないのか。スピードのある選手はいるのに・・・
(それとも、単純にスタミナ切れ?)

後半ロスタイム直前には、速攻からGKとの一対一の場面を作られ、これをファウルで止めた花山が一発レッドで退場。これで10人対10人の戦いになる。長いロスタイム、ベガルタは攻め続けたのだが、結局ゴールを割れずに試合終了。

これでJ2前期は終了。結局ベガルタは一度もホームで勝てなかった。いつになったら光明が見えるのか・・・
[ボランティア記者:神林]




きれいに晴れ上がった仙台スタジアムに8800人を超えるベガルタ仙台の巻き返しを期待する観客が集まった。久しぶりの試合という事で、ゴール裏も新しいサポーターソングをデビューさせ、気合十分。心配されたみくの穴は浩司が受け持ち、その他にもGKには石川に代ってのりお、DFには渡辺、花山、ボボが入り、MFの底にはニクソンと、1月前とはかなり異なる布陣となった。

試合開始とともにエンジンの掛かりが遅い新潟に仙台が攻め込む。2分には今日最初のシュートをボボが放ち、その後も4分、6分と好機を迎える。いずれもニクソンが基点となったもので、仙台はボールを奪うとまずニクソンに預けてからという約束事があるようだ。ただ決定機を迎えるかというと、そうでもないのが悲しい所で、中盤までボールを運んでゴール前でキープしてもそこからの展開がアイデア&精度の不足でどうしてもシュートまで行かない。業を煮やした浩司や学が時折中に切れ込むのだが、厚い壁に跳ね返されてしまう。

何度かコーナーキック、フリーキックのチャンスを精度不足やシュートミスで逃し続けた後は膠着状態。攻めきれないが、相手も引いてしまって攻め込まれもしない…と思っていた38分、新潟の攻撃をボボがカット…と思いきや、余計な所で渡辺がキープしてしまい、奪われて1対1となりシュートを決められてしまう。完全なミスによる失点にゴール裏は唖然呆然、言葉を失ってしまった。その後2回ほど学が切れ込んでチャンスを作るが、ゴール前の詰めが足りず、そのまま前半終了。

後半も同じような展開で相変わらず仙台が押し気味だが、カウンターを食らう回数はやや増えてゆく。5分には渡辺が前半のミスを取り返そうと焦ったのか、無理なチャージで相手と小競り合いとなりイエロー、さらには直後に純がスライディングでイエローと一触即発状態になってしまう。ゴール裏も騒然となり、俄然盛り上がる。ここで同点に追いつく…となれば仙台には追い風となるのだが、12分には新潟がゴール正面でFKを得て、それを壁越しできれいに決められて2対0となる。

その後殆ど目立つ事が無かった蓮見に代り越後が入るが、逆に越後は23分、中盤でボールを奪われて速攻を受け、最後はゴール前を左に流れた選手にGKのりおがかわされて3対0。直後新潟の選手がラフプレーで退場となるが、引き気味だった新潟がさらに引いてしまい、仙台としては攻め手が無くなってしまった。セットプレーができない平の交代も、スペースが無い状態での瀬川の交代も、純、ニクソンの動きが悪くなってきたとは言え、何等効果的ではなかった。

チャンスは掴むものの、コーナーやセンタリングの精度が悪かったり、相変わらずミスも多く、最後には花山が抜け出した相手を追い切れず一発退場のおまけまでついて試合終了。

“なんで石川や山路が出れないのか?”
“交代のタイミングと控えの人選はあれでいいのか?”
“簡単なミスをいつまでやっているのか?”
“得点のビジョンをもって練習や試合をやっているのか?”
“1ヶ月なにをやっていたのか?”
等など、試合を見ていた人なら誰でも浮かぶ疑問を残して、そして疲労と怒りと失望を倍増させて、みんなが楽しみにしていた久々のホームゲームは終わった。
[ボランティア記者:かば蔵]