公式記録・観戦記

1999 Jリーグ ディビジョン2 第15節

1999/6/26 15:01キックオフ 大分市営陸上競技場
[入場者数]1,431人 [天候]雨、無風、24.3℃/72% [ピッチ]良芝、水含み [試合時間]90分

大分トリニータ 2(1−0)
(1−0)
0 ベガルタ仙台
34分:神野
72分:ウィル
得点

小山 健二GK高橋 範夫

村田 一弘
若松 大樹
山崎 哲也
吉村 寿洋
DF山路 嘉人(反スポーツ)
ドゥバイッチ
花山 栄二

山根 厳
崔 大植
塩川 岳人
(遅延)金本 圭太
MF千葉 直樹(ラフ)
ニクソン
蓮見 知弘
千葉 泰伸
御厨 景

ウィル
神野 卓哉
FW中村 学
高田 純(繰返し)

吉坂 圭介(GK)
小池 良平(DF)
梅田 高志(MF)
アレックス(FW)
竹村 栄哉(FW)
SUB石川 研(GK)
中島 浩司(DF)
越後 和男(MF)
平 聡(FW)
瀬川 誠(FW)

塩川→梅田[86分]交代[68分]蓮見→越後
[70分]中村→瀬川




観戦記


雨というあいにくの天候、でも、4/28の雨のアウェイ(当時首位)新潟戦の再現を期待した。
しかし、実の所、1ヶ月のブランクで試合感覚が低下していないか心配だった。

試合内容は一進一退であるがボールキープ率では仙台がやや上かと思われる展開。
大分はサイドチェンジを主体でピッチを大きく使い、ベガルタディフェンスを揺さぶりにかかる攻撃。
しかし、相手にボールを持たせてもニクソンを中心としたMF陣が早めにプレッシャーをかけ相手にシュートまで持って行かせない。
直樹か蓮見かニクソンと思うが、観客席にまで聞こえる大きな声でコーチングをして展開をフォロー。
細かいパスを駆使して相手陣内に攻めかかる。しかし、相手もJ2首位、簡単にはシュートを打たせてくれない。

前半34分やや大分ペースに試合が進む中でベガルタが相手ボールを奪い返して攻撃に移りかけるところ、中盤で相手にボールを取られ、守備が整わないうちに大分FW神野がDFの間を抜いてきっちりと決めて0対1。
雨の中切れることなく同様な展開で前半終了。

後半展開は同じだが後半10分くらいから大分がボールを奪ってからの早い攻撃に少々ベガルタ守備陣が裏を取られるようになる。
相手のシュートミス、パスミスで得点こそ奪われなかったが、今後の修正が必要と思われる。

攻めが単調になりつつあったのでちょっとスパイスを入れるため、中盤での溜め、スペースへの飛び出しを狙って選手交代で越後、瀬川を投入する。
ところが、またしても攻撃の途中でボールを奪われ、守備陣が戻りきらないうちに、大分MFウィルに飛び出され得点を奪われる。(0対2)
それから、スペースを使った攻撃、遠目からのシュートで反撃を加えるがゴールネットを揺らすことができず。タイムアップ。

今日の試合で、中盤でボールを奪った際の攻撃展開の遅さが目に付いた。
見た目にはボールキープ率は互角でどちらが勝ってもおかしくない試合ではあったが、こんな些細なことが首位と下位に低迷のチームの大きな差ではないかと思う。
連携を確認するという意味で、監督も含めて試合中に声を掛け合うことも必要と思う。
でも、悲観点ばかりではない、中盤での組織的守備は大分にひけをとってなかったのは評価できるし、去年の九州での試合であったように先取点を取られても切れて連続失点することがなかったのは精神的成長が感じられた。
[ボランティア記者:高林]




試合開始前には小雨に変わったものの数日前からの大雨で、ピッチはライン際などに水たまりのある状態、ベガルタは3-6-1、大分は3-5-2のシステムで始まりました。
このシステムが功を奏して、ベガルタはパスもよくつながり、これまであまりなかった大きなサイドチェンジが見られたり、最終ラインで奪ったボールを山路が素早く純に当て、ヘットで落としたところに学&ミクが詰めるプレーなどがあり、ベガルタが中盤でボールを支配する場面が多く、押し気味の展開でした。
しかし、フィニッシュまでが大問題!
ペナルティエリア付近でパスが蓮見に渡ると動きに切れがなく、持ちすぎて相手に囲まれパスを出せずにボールを取られてしまう。
また、純が持ち込んでセンタリングを上げた場面でも反応が悪く、ゴール前へ詰められない。
(純が抜けたので、ゴール前を見たら、蓮見はまだ走り出していなかった)

30分過ぎ大分はベンチからの指示でシステムを4-4-2に変更(2列目の塩川とトップのウイルを入れ換え)してディフェンスを修正、その後崔からの長いパスを受けた神野がドリブルで3人を抜きゴール。
しかし、ベガルタは先取点を取られても沈むことなく積極的に攻め、押し気味の展開のうち前半終了。
後半は一進一退の攻防がしばらく続き、そのうちベガルタはいつもの選手交代。だがそれも効果的に機能せず、流れを引き込めない。
2点目の失点は、それまで崔-塩川からのパスを何度か外していたウイルがやっと決めたものでした。

ベガルタは前後半ともボールの支配が高く、中盤が安定したため、バックラインでのボール回しが減り、前半の優勢な時間帯に先取点を奪っていれば、勝てていたのではと思わせる内容ではありました。

目に付いたのは、怪我から復帰したニクソン。豊富な運動量で精力的に動いて中盤でボールを奪ったり、FKで直接ゴールを狙うシーンもありました。
しかし味方とマークが重なる場面も見られ、他のメンバーとのコンビネーションはもう少しというところでしょう。

新しいシステムにおけるトップ下のポジションは、今の状態の蓮見や越後には不向きだと思います。私としては阿部が最適だと思っていたのですが、今は炎の男ヤスしかいないと思います。
ヤスはこの試合でも、ゴール前でキープ&ドリブル突破など良い動きで攻撃にアクセントをつけていました。(ヤスがんばれ!!)
純を始めとする若手もまずまずでした。

この試合でも監督の手腕の差が出たように思ったのは私だけでしょうか?
試合後再び強くなってきた雨の中、いやな感じも見せず丁寧にヒーローインタビューに応える神野の姿がとても印象的でした。
(苦しい試合だったと言っていました)
次の新潟戦では、ヒーローインタビューが行われるよう期待したいと思います。
[ボランティア記者:和田]