公式記録・観戦記

1999 Jリーグ ディビジョン2 第14節

1999/5/29 19:00キックオフ 仙台スタジアム
[入場者数]7,025人 [天候]晴、無風、19.3℃/51% [ピッチ]全面良芝、乾燥 [試合時間]90分

ベガルタ仙台 1(0−1)
(1−1)
2 サガン鳥栖
78分:千葉(泰)得点03分:片渕
82分:朴

石川 研GK高嵜 理貴

山路 嘉人
花山 英二
(反スポーツ)渡辺 佳孝
DF島岡 健太
川前 力也(ラフ)
佐藤 陽彦
森保 洋

千葉 直樹
中島 浩司
蓮見 知弘
御厨 景
(距離不足)越後 和男
MF関本 恒一
佐藤 大実(繰り返し)
北内 耕成

平 聡
(ラフ)中村 学
FW福留 亮
片渕 浩一郎
小林 悟

大崎 常喜(GK)
斎藤 克幸(DF)
千葉 泰伸(MF)
伊藤 壇(MF)
瀬川 誠(FW)
SUB前田 義貴(GK)
朴 永浩(DF)
松田 考功(DF)
高木 健旨(MF)
佐藤 真一(FW)

蓮見→千葉(泰)[70分]
越後→伊藤[75分]
中村→瀬川[80分]
交代[60分]片淵→佐藤(真)
[77分]福留→高木
[79分]小林→朴




観戦記


6月の中休み前最後の試合となった第14節、対サガン鳥栖戦。5連敗中にも関わらず、約7000人のサポーターが集まった。
5月に入ってからはピッチの中でも外でも問題続出のベガルタだが、とにかく勝つのが一番の薬だ。

スタメンは上記の通り。累積警告でドゥバイッチと高田が出場停止。代わりに花山と中村が登場。中村は今季初スタメン。

試合は開始早々に動いた。前半開始からわずか03分、石川のゴールキックが拾われ、ボールがベガルタDFとMFの中間地点にいた鳥栖の片渕に渡る。
ここで誰もプレッシャーをかけに行かなかったところ、意表をついたミドル(ロングかな?)シュートを放たれ、これがあっさり決まって先制される。
あまりにあっけない失点にスタジアムは唖然、呆然・・・

これ以後は、五分五分の展開になるのだが、例によってベガルタはバックラインでのボール回し&ずるずる後退の癖が出始める。
ここでゴール裏からまたしても「ラインを上げろ!」コール。すると本当にラインが上がって(!)ベガルタのペースが改善。
この日のゴール裏は、このコールといい応援といい実に素晴らしかった。

サポーターに喝を入れられたのが効いたのか、ベガルタのペースが徐々に改善し始める。
前半30分頃には中村のシュートがバーを直撃の惜しいシーンが。
これ以後、ベガルタは中盤からの厚みのある攻めでチャンスを次々に作る。
選手もよくボールを追って頑張っていた。特に左サイドの御厨は素晴らしかった。
・・・が、結局ゴールを割れずに前半終了。

後半は、開始直後こそ鳥栖に攻めこまれたものの、以後は完全にベガルタペース。
中盤からの厚みのある攻撃も迫力を増し、左サイドの御厨に加えて、右サイドの中島も起点となっていい形を作る。
数こそ多くなかったが、大きなサイドチェンジも交えたりして、ここ数試合では最もいい攻撃の形が作れていた。が、フィニッシュが決められない・・・

後半25分、蓮見に代えて千葉(泰)を投入。
今季のベガルタは選手交替後の失点が多いので心配だったが、案の定、DFが集中力を切らして1対1の大ピンチを招く。しかし石川のスーパーセーブでなんとか持ちこたえる。

この危ない時間帯を乗り切ると再びベガルタペース。
そして後半33分、左サイドを中村が突破してセンタリング、これを千葉(泰)が頭で押し込んで同点ゴール!
久々のゴールに、スタジアムは最高潮。

だが、攻め続けた疲れが出たのか、ベガルタの動きがやや重くなる。
そして後半37分、右サイド深くのクリアボールをカットされてセンタリングを上げられ、ドンピシャのヘディングシュートを決められて、再び突き放される。

結局これが決勝点になって試合終了。またしてもホーム初勝利はならず、ベガルタは6連敗で中休みを迎えることになってしまった。
しかし、試合内容は決して悪くはなかった。今後に向けて、わずかながらも光が見えてきたか・・・ 6月の中休み、きっちり立て直して後半戦を迎えて欲しい。
[ボランティア記者:神林]




仙台スタジアム今期初のナイター。
天候にも恵まれ、観客の出足も好調である。
今日はドウバと高田が出場停止ということで、学と花山がスタメン。久々の学コールが仙スタに響き渡った。
また監督紹介でのブーイングはもはや風物詩となりつつある。

19時をまわったところでキックオフ。
立ち上がりは押されぎみで、何本かクロスが仙台ゴール前に上がる。
久々の学は元気いっぱいで、それに引っ張られるような感じで仙台の攻撃は動いてゆく。

しかし最初の失点は、3分に訪れた。
石川のクリアしたボールが(伝聞)中盤フリーの相手選手に渡り、きれいなループシュートを決められてしまった。鳥栖先制。

その後も鳥栖ペースの試合が続き、仙台はゴール前に釘付けとなるシーンもしばしば見られる。
相変わらず中盤が握れないため鳥栖に自在にボールをまわされるのだ。あまりにも覇気のないディフェンスに、ゴール裏からは“ラインを上げろ!”コールが響く。

そんなコールを知ってか知らずか、20分くらいから中盤を省略した形ながら、学のスピードを生かした攻撃がはまりはじめる。
蓮見→学、みく→学、千葉直→学という感じで常に裏を狙ったパスが出始めて、中でも32分には抜け出した学が右サイドからループを見せる。
惜しくもバーに阻まれたが、決定的なシーンはゴールの予感を漂わせた。

後半も最初は鳥栖に押し込まれこそしたが、5分くらいから再び仙台が主導権を握る。
5分には千葉直からの浮きだまを学が落とし越中がもちこむ。
10分にはこれも動きの良い浩司がフリーの学にパス、ゴールやや右サイドの絶好の位置だったが、学は横の平を見てしまって惜しいチャンスを逃してしまう。
15分を過ぎても仙台の攻勢は続く。いつに無くゴールへの気迫も感じさせるが、何分決定力の低さはいかんともし難い。
そんな中、25分には千葉ヤスがイン。

27分、ここでDFは一瞬、集中が切れる。
スルーパスに抜け出した相手FWが石川と一対一になる。誰もが失点を覚悟した瞬間、見事にコースを切った石川のファインセーブ。
ゴール裏は俄然盛り上がる。そして34分、学がサイドチェンジからのパスを受け、大きく前に突ついて独走。ゴールキーパーが触れない位置に絶妙のセンタリングを上げ、待っているのは千葉ヤス。
ドンピシャのヘディングはGK、DFをかわしゴールゲット。狂喜するゴール裏とヤス。
良かったなあ、ヤス(心底)。こんなに盛り上がったのは何試合ぶりだろう(涙)。

しかし喜びのあとの悲しみもまた大きかった。
37分鳥栖が左サイドに出したボール、浩司が一旦はクリアするのだがいかにも苦し紛れでフリーの相手に渡ってしまう。
クロスボールを上げられ、中央一枚しか居ない相手に仙台DFは付ききる事が出来ずヘディングシュートを決められてしまう。
その後仙台は反撃に転じるものの、学から変わった瀬川が効果的な仕事が出来ず、そのまま試合終了。

こんなことをいうのは間違いかもしれないが、今日は最近の負け試合の中ではもっとも見られる試合であったと思う。
中盤の甘さは今日も変わらないし、点を取った後守り切る事ができないのも何時ものまま。
しかし学の鬱憤ばらしかのような動きは新鮮に映った。
むしろ中盤が無い今のような状態に向いた選手なのではないか?監督は自分の作った建前にこだわらず、様々な選手の臨機応変な使い方を試して欲しい。
[ボランティア記者:かば蔵]