公式記録・観戦記

1999 Jリーグ ディビジョン2 第9節

1999/5/2 13:33キックオフ 仙台スタジアム
[入場者数]9,502人 [天候]晴、弱風、20.3℃/20% [ピッチ]全面良芝、乾燥 [試合時間]90分

ベガルタ仙台 0(0−1)
(0−1)
2 川崎フロンターレ
得点28分:浦田
59分:ツゥット

石川 研GK浦上 壮史

花山 英二
ドゥバイッチ
渡辺 佳孝
DF中西 哲生(反スポーツ)
佐原 秀樹
伊東 真吾(距離不足)

千葉 直樹
中島 浩司
斎藤 克幸
御厨 景
越後 和男
MF土居 義典
大塚 真司
長橋 康弘
久野 智昭
桂 秀樹

高田 純
阿部 良則
FWツゥット(異議)
浦田 尚希

高橋 範夫(GK)
山路 嘉人(DF)
(乱暴)蓮見 知弘(MF)
平 聡(FW)
瀬川 誠(FW)
SUB笹原 義巳(GK)
高田 栄二(MF)
伊藤 彰(MF)(反スポーツ)
向島 建(FW)
我那覇 和樹(FW)

越後→蓮見[59分]
高田→平[59分]
交代[70分]桂→伊藤
[82分]ツゥット→我那覇
[89分]浦田→向島




観戦記


まさに「五月晴れ」の好天に恵まれたJ2第9節、対川崎フロンターレ戦。
前節では首位独走中の新潟を3-0の快勝で破ったベガルタ。
今日の相手、川崎は順位こそベガルタより一つ上だが、勝ち点は9で並んでいる。
ここで勝てばホーム初勝利を手にすると同時に、上位進出への展望も開けてくる。何としても勝ちたい試合だ。

試合開始からしばらくは五分五分の展開。だが10分前後から、やや川崎優勢の感じで試合は進行する。
ボールの支配率はそれほど変わらないのだが、川崎が比較的多くペナルティエリア付近に迫れるのに対して、ベガルタは例によってのビルドアップの遅さと、川崎の組織的な守備の前になかなか前に行けない(前半だけで5回ぐらいオフサイドを取られた)。
それでもベガルタもよく守り、危険な場面はあまりなかった。
ところが前半28分、センターライン付近からのFKから一瞬のスキをつかれて失点。
これで目が覚めたのか、ベガルタも積極的な攻めに出る。
35分頃に、CKから決定的なチャンスが生まれたのだが、惜しくも決められない。結局無得点のまま前半終了。
それでも失点後はベガルタの攻めのリズムも徐々に良くなっているように見えた、これなら後半に十分に追いつけそうだ…

さてその後半、開始直後は川崎のペース。
立ち上がり早々に決定的なピンチがあったのを筆頭に、その後のしばしば危険な場面を作られる。
それでもどうにか耐えて後半10分前後には互角ぐらいのバランスになる。

そして後半14分、ベンチは平と蓮見を同時に投入。
ところがその直後、左サイドから上げられたセンタリングをツゥットに合わされて2失点目。最悪のタイミングで追加点を決められる。

しかし、今日のベガルタは一味違った。これまではリードされると諦めムードが漂うことが多かったが、失点後からは気迫溢れるプレーで立て続けにチャンスを作る。
攻撃のリズムもスピードも、格段に早くなる。
今期のこれまでのホームゲームの中では最高にアグレッシブなプレーで、これなら2点差すらひっくり返せるかに思えたのだが…

後半23分、蓮見がペナルティエリア間近でファウルを受け、絶好の位置でFKのチャンス。ところが、ゴール前の壁作りでトラブルがあったらしく、蓮見がレッド一発退場! これで10人で戦うことに…

それでもベガルタは諦めず、ゴールへ迫る。
後半30分には中島が決定的なシュートを打つが、川崎DFの必死の守りの前に得点できず。
ベガルタは前がかりになった分、しばしば川崎に裏を取られて危険な場面を作られるが、必死の守備と相手のミスにも助けられてどうにか失点はまぬがれる。
最後まで前に行く姿勢は失わなかったベガルタだが、川崎の懸命な守備の前に結局得点できす試合終了。

またしてもホーム初勝利ならず。
残念な結果に終わったが、後半失点後に見せた気迫と攻撃の質が維持できれば、今後に悲観することもないだろう。
第9節が終わり、これでリーグ戦の対戦相手が一巡したことになる。
これまでのリーグの展開を見るに、今のJ2には突出した力を持つチームはないようだ。
これまでの反省点を踏まえて、着実に勝利を積み上げていって欲しい。
[ボランティア記者:神林]




暑いくらいの五月晴れのもと、マスコットの名前が決定した。
その名も“ベガッ太”。
ま、微笑ましい。あんまり強そうでない顔つき。

久々のエール交換のあと、試合が始まった。
ベガルタ仙台は前節の勝利を受け、かなり動きが良い。
フロンターレの動きが良くない事もあるが、特にDFが安定しているようにみえる。スルーパスにも良く付いていき、ハイボールには負けない。
ただし、DFからの繋ぎが遅いのは相変わらずだが。
3分、早くもFKからチャンスを迎えるが、クロスに合わせた阿部のヘディングはゴール右に逸れてしまった。

その後も決定的なチャンスを作れない川崎Fに対して、仙台は押されながらも時折チャンスを掴む。
13分阿部に再びクロス、落とした所を浩司がボレー。また23分にはコーナーから花山ヘッド。
しかし徐々に阿部がマークされ、彼にボールが入った時に動きが止まってしまう。
また浩司のフィードの精度が低い。ここでボールを奪われ、なかなかペースを作れない。というわけで膠着状態に陥っていく。

そして“いつものように”ぽっかり集中力の穴が生れてしまう。
FKを得た川崎のクロスに相手16番大塚がせったボールはDFのマークを振り切った浦田の前に。0対1。
何でここに限ってフリーでヘッドさせるんだ??なんで浦田に前に出られるんだ?

その後、チャンスはむしろ仙台に多く、特に38分にはコーナーから斎藤のシュートをキーパーがこぼした所、純ちゃんが反応するもヘッドはバーの上。(都並曰く、“背が低いからね〜”)
しかしながらだんだん暑さからか動きが鈍くなってきて、前半終了。

今日のゴール裏は大変な暑さでビールが飛ぶように売れる。
そんな中後半のキックオフ。
いきなり2分川崎F右サイドFKからヘディングの決定的チャンスを迎えるが、中西がはずしてくれて、ほっ、っというところ。
それから仙台が再び速攻からチャンスを掴む。
だが7分から10分くらいにかけて幾つか決定的なシュートも精度が足りない。
そんな事をしているうちに15分、また選手交代(蓮見、平イン)の隙を衝かれシュートを決められる。0対2。

そして23分、本日のメインイベント。
ドウバイッチのパスが蓮見に通り倒されてFKを得る。良い位置なのでゴール裏は当然涌く。
なかなか下がらない川崎FのDFに対してブーイング。…といきなり御厨が審判に食って掛かっている?…ええっ!蓮見退場?!何したのや??(→実は肘うち)。
みくは完全にヒートアップしているし、ゴール裏は茫然自失。試合もまたまたいつものように荒れはじめてしまう。

人数が少ないながらも仙台は攻め込んでゆく。
しかしだんだんと動きが止まり、阿部が引いてきてしまう。
ただでさえ中盤が薄いのに…ドウバを上げてもそこまでボールが運べない。
阿部ちゃんの気の無いロングシュートを見るのにも飽きたゴール裏も、だんだん元気を失ってゆく…。

試合後、ゴール裏はブーイングの嵐に包まれる。
まだヒートアップしている御厨は観客に対して怒りをぶつけてしまう。
怒りたいのはこっちだ!

…でも彼らにはブーイングは酷なのかも…愛の鞭(自称)が重荷なのかも…僕らが考えている以上に彼らは子供なのかも…ひょっとして応援をも重荷に感じているのか?
[ボランティア記者:かば蔵]