公式記録・観戦記

1999 Jリーグ ディビジョン2 第5節

1999/4/11 14:00キックオフ 埼玉県営大宮公園サッカー場
[入場者数]1,331人 [天候]曇時々雨、中風、17.0℃/78% [ピッチ]全面良芝、水含み [試合時間]90分

大宮アルディージャ 4(1−0)
(3−0)
0 ベガルタ仙台
43分:平本
56分:岩瀬
58分:オウンゴール
83分:横山
得点

白井 淳GK石川 研

ヤン
浮氣 哲郎
岡本 隆吾
横山 雄次
DF山路 嘉人
ドゥバイッチ
渡辺 佳孝

原崎 政人
佐藤 昌吉
岩瀬 健
エドウィン
MF千葉 直樹
中島 浩司
斎藤 克幸
御厨 景
越後 和男

ヨルン
平本 大介
FW高田 純
阿部 良則

渡辺 英豊(GK)
斎藤 雅人(DF)
宮下 真洋(MF)
北原 健二(MF)
佐藤 太一(MF)
SUB高橋 範夫(GK)
花山 英二(DF)
千葉 泰伸(MF)
伊藤 壇(MF)
瀬川 誠(FW)

交代[59分]高田→瀬川
[65分]中島→千葉(泰)
[80分]ドゥバイッチ→伊藤




4月11日
今にも降り出しそうな重い曇り空の下、桜吹雪が舞う大宮公園サッカー場。
思ったとおり観客の出足が鈍い中、ベガルタゴール裏はスタンドの中で一番の人口密度を誇っていた。
その数100人超。
イーグレッツのワッペンが完成し、東京サポータグループAVEの太鼓募金が回り、様々なコスプレ系の人々が暗躍するゴール裏はいつも通り。なかじまこーじをなかじまゆーじと間違えられても寛容な対応である。

時折小雨が混じる中、定刻通りのキックオフ。
と、いきなり大宮の攻勢。とりわけ長身のヨルンをターゲットにし、落とした所を11番平本のシュート。
決定的な場面だったがボールはミートせず、事無きを得る。
その後ヨルンは山路とナベが見ているようだが、バックを余らせている分中盤が薄く、パスの出所をなかなか押さえられない。
その後もヨルンの頭を使った単調な攻めが続く。

仙台の攻撃陣も9分と10分にチャンスを迎えるが今日も相変わらずクロスの精度が低い。
おまけに越後の調子もイマイチで、大宮がバックラインを上げて中盤のスペースを消す(センターサークル付近でオフサイドを取られるほど!)と、ミスを連発。
なかなか中盤から前にボールを持ってゆく事が出来ない。
つまらない展開にゴール裏はすっかり和やかムードである。

ボールの支配率は6:4で大宮も、30分前後から中盤を省略した形で仙台も何回かチャンスを迎え、30分には阿部のボレー、36分には越後のスルーパスに高田が反応しシュート、ゴール前をかすめるなどのチャンス(決定機というほどではない)を迎える。
しかし、このまま前半終了かという前半43分、逆にボールを奪った大宮の速攻。
右サイドをえぐられセンタリング、GK石川が触るもボールがゴール前に転がった所を大宮11番平本に押し込まれる(大宮1点め)。
まずい時間の失点に平本を追った御厨は呆然としてしばらく起き上がれず、いやなムードのまま前半終了。

後半開始後は一進一退の攻防で、仙台も阿部、直樹がシュートを放つ。
この頃は力の差も余り感じず、いずれ追いつけるのでは?との甘い期待も持つほどだった。
しかし大宮は波状攻撃で仙台をゴール前に押し込めると、11分には8番岩瀬が中央やや右でボールを奪ってのシュートを決める(大宮2点目)。
さらにその直後、仙台DFがクロスボールをクリアミスしオウンゴール(大宮3点目)。
またも今期を象徴するようなどたばた劇にゴール裏からは怒りの声が巻き起こる。(この頃瀬川イン高田アウト)

3対0になっても仙台の中盤は相変わらずミスが多く、そのため中盤を省略した縦パスも相変わらず多い。
サイドチェンジの不正確さも目を引く。
ドウバイッチはまだ肩をかばっているような動きで本調子ではなく、阿部ちゃんもボールを貰えないもどかしさからかずるずると中盤に下がってしまう。
ベンチの動きも遅い。20分頃ヤス登場。
しかし大宮は既に無理をしない態勢に入っている。
瀬川らはボールにプレスを掛けるのだが動きの良いのはもはや数人で、肝心のところでボールを取り逃がしてしまう。
35分にはドウバイッチがついに交代(伊藤壇イン)。
38分には大宮23番が抜け出して右サイドからシュート、大宮4点めで、そのまま終戦してしまった。

後半半ばからは仙台ゴール裏全体からの応援も止まり(一部はそれでも声を出していた(どっちも涙…))、逆に自嘲気味に大宮を煽るようなコールも出ていた。
終了後は監督を非難するゴール裏にヤスが“済みません”と謝るシーンも。
たまたま越後のそばに行けたので尋ねてみると、“もう少し我慢してくださいとしか言えません。
今のシステムを変えるかどうかはまだ分かりません”とのことであった。

いずれにせよ、今日のゲームでは2万円近くを払って仙台から駆けつけた多くのサポーターの立場は無い。
大枚をはたいて選手(監督)を呼ぶことも出来ない以上、今のメンバーでやっていくしかないが、それには一刻も速く怪我人が復帰して(怪我を治して)ベストの布陣を組むこと。
それと基本的なプレーを大事にする事。
まだまだシーズンは長いが、ここらで少しずつでも流れを取り戻さないと厳しいだろう。
監督にはもうちょっとしっかりしてもらいたいものである。

[ボランティア記者:かば蔵]