公式記録・観戦記

2000 Jリーグ ディビジョン2 第44節

2000/11/19 13:00キックオフ 仙台スタジアム
[入場者数] 9,603人 [天候]曇 、弱風、 9.5℃/ 46% [ピッチ]全面良芝、乾燥  [試合時間] 90分

ベガルタ仙台 0( 0− 1)
( 0− 0)
1 ヴァンフォーレ甲府
得点 10分:土橋 宏由樹

高橋 範夫 GK 伊藤 友彦

田沢 浩之
ドゥバイッチ
飯尾 和也
賀谷 英司
DF 仲田 建二
渡邉 晋
谷奥 優作

千葉 直樹
山田 隆裕
財前 宣之
平間 智和
MF 阿井 達也
新明 正広
加納 昌弘
土橋 宏由樹
倉貫 一毅

藤吉 信次
大友 慧
FW 金子 誠
藤田 慎一

石川 研
蓮見 知弘
伊藤 卓
中島 浩司
小林 康剛
SUB 吾妻 弘将
神田 文之
金 晃正
吉田 悟
菅野 拓真

30 → 13 [ 64分]
32 → 14 [ 72分]
11 → 19 [ 73分]
交代 [ 80分] 13 → 9

(C2) 藤吉 信次 [ 54分]
(C3) ドゥバイッチ [ 82分]
警告・退場 [ 66分] 加納 昌弘 (C2)
[ 87分] 谷奥 優作 (C1)


[警告] C1:反スポーツ的行為、C2:ラフプレイ、C3:異議、C4:繰り返しの違反、C5:遅延行為、C6:距離不足、C7:無許可入、C8:無許可去
[退場] S1:著しく不正なプレイ、S2:乱暴な行為、S3:つば吐き、S4:得点機会阻止(手)、S5:得点機会阻止(他)、S6:侮辱、CS:警告2回




観戦記

 前節の勝利によって、年間順位5位が確定。昨年の9位から大きく飛躍した。その一方でドゥバイッチに戦力外通告がなされたことが明らかになり、彼がプレーする姿は(少なくともリーグ戦では)これが見納めとなる。スタジアムに集まったサポーター達は、十分にそのことを意識していた。今季を締めくくるにふさわしい勝利を、誰もが望んでいた。

 以上のことは、当然監督も選手達もわかっていた。清水監督は千葉のワンボランチ、財前、平間、山田と攻撃的な選手を先発させる布陣を敷き、選手達の動きにも最初から気持ちが感じられた。しかし、甲府の選手達にも期するものがあったのだろう。積極的に中盤でのプレッシャーをかけ、なかなかスキを見せない。

 試合が動いたのは前半10分、ゴール前が混戦気味になったところを、フリーになっていた土橋に決められて先制点を許す。この後はベガルタにパスミスが目立ち始め、甲府のカウンターにディフェンスラインが下がり始める。サポーターの応援もトーンダウン、スタジアムに静寂が訪れた。が、それを打ち破る清水監督の大声が響く、「下がるな! 上がれ!」。これで気合が入ったか、ベガルタのリズムが良くなりゲームの主導権を握る。しかし、甲府のGK伊藤の好守もあって、どうしても点が入らない。セットプレー時にはドゥバイッチにボールを集め、フリーでヘッドを放った場面もあったのだが、惜しくも決められず、結局このまま前半終了。

 後半は、ベガルタが攻めて、攻めて、攻め続けた。甲府に何度かカウンターを許したものの、それ以外はほとんど甲府側サイドでゲームが進行した。これだけベガルタが一方的にペースを握った試合は、リーグ戦ではちょっと記憶にない。しかし、どうしてもゴールを割ることができない。決定機を何度も作りながら、シュートの甘さと甲府の必死の守りの前に、最後の一線が越えられないまま時間が過ぎて行く。平間に代えて蓮見、山田に代えて伊藤、藤吉に代えて小林と、次々に攻撃的な選手を投入するも、いずれも決定打にはならない。後半25分頃にドリブルで大独走を見せたドゥバイッチは、その後はほとんど前線に上がりっぱなしの状態。普段だったら疲労で足が止まりそうになる時間帯に入っても、選手達は懸命に勝利を目指して走る。ロスタイムのコーナーキック時には、高橋も攻撃参加して1点をもぎ取りに行ったが、結局最後までゴールを割ることができずに試合終了。最終戦を勝利で飾ることはできなかった。

 ディフェンスの弱さと、決定力不足。それでも懸命に勝利を目指す姿勢・・・最終戦は今季のベガルタを象徴するような試合だった。課題は見えている。これを来期どう克服するか、スタッフと選手達に期待したい。ともあれ、長いリーグ戦お疲れさま。どうもありがとう。
[ボランティア記者:神林]