公式記録・観戦記

2000 Jリーグ ディビジョン2 第27節

2000/08/05 19:04キックオフ 仙台スタジアム
[入場者数] 17,933人 [天候]雨のち曇 、弱風、26.0℃/ 87% [ピッチ]全面良芝、水含み  [試合時間]120分

ベガルタ仙台 1( 1− 1)
( 0− 0)
( 0− 0)
( 0− 0)
1 浦和レッズ
39分:蓮見 知弘
得点 24分:永井 雄一郎

高橋 範夫 GK 田北 雄気

田沢 浩之
ドゥバイッチ
リカルド
賀谷 英司
DF 山田 暢久
西野 努
路木 龍次
内舘 秀樹

千葉 直樹
蓮見 知弘
山田 隆裕
財前 宣之
MF 石井 俊也
ペトロヴィッチ
永井 雄一郎
河合 竜二

藤吉 信次
大友 慧
FW 岡野 雅行
クビツァ

石川 研
御厨 景
平間 智和
伊藤 卓
小林 康剛
SUB 安藤 智安
ピクン
土橋 正樹
小野 伸二
大柴 健二

11 → 30 [ 65分]
10 → 14 [ 75分]
32 → 19 [115分]
交代 [ 14分] 12 → 3
[ 58分] 19 → 8
[ 81分] 34 → 13

(C1) 蓮見 知弘 [ 14分]
(C2) ドゥバイッチ [ 19分]
(C1) 蓮見 知弘 [ 83分]
(CS) 蓮見 知弘 [ 83分]
警告・退場 [ 0分] ペトロヴィッチ (C1)


[警告] C1:反スポーツ的行為、C2:ラフプレイ、C3:異議、C4:繰り返しの違反、C5:遅延行為、C6:距離不足、C7:無許可入、C8:無許可去
[退場] S1:著しく不正なプレイ、S2:乱暴な行為、S3:つば吐き、S4:得点機会阻止(手)、S5:得点機会阻止(他)、S6:侮辱、CS:警告2回




観戦記

 観客は17933人、黄色と赤に二分されたスタジアム、そして雨に濡れて鮮やかさを増した芝がライトに照らされて輝く。4月の浦和戦に勝るとも劣らない圧倒的な空気がスタジアムを包みこんだ。
 前半、試合開始早々に大友が決定的なチャンスを得るが決められず。その直後には永井の強烈なミドルシュートがベガルタゴールを襲うなど、序盤はほぼ互角の展開。しかし、時間の経過と共に地力に勝る浦和がペースを握るようになる。試合が動いたのは前半24分、ベガルタDF陣が永井の鋭いドリブルにことごとく振り切られ、最後は高橋との一対一をきっちり決められて先制を許す。この試合ではディフェンス陣が相手のドリブルに対しルーズになる場面が何度かあったが、この失点はその典型だった。この後はベガルタが攻め手を欠く展開が続く。しかし前半39分、蓮見の意表を突いたロングシュートが決まって同点。試合をふりだしに戻す。
 後半は立ち上がりこそ互角だったものの、その後は完全な浦和ペースでピンチの連続。ベガルタは、前半に見られた中盤でのパス回しを省略し、前線の大友に一気にボールを出して勝負する作戦に出たようだが、浦和のディフェンスが堅く、ことごとくボールをはね返される。逆に、岡野をはじめとする浦和のスピード溢れる攻撃に決定的な場面を何度も作られた。それでも、DF陣のぎりぎりの踏ん張り(特に、岡野のマークについたリカルドの働きぶりは見事だった)と高橋の好守、そしてゴールの枠にも助けられ、浦和に得点を許さない。後半38分には蓮見がこの試合2枚目のイエローで退場、10人対11人でますます苦しい状況に追い込まれるが、浦和の猛攻をなんとかしのいで延長戦へ突入。
 延長戦も浦和の圧倒的な攻勢が続くが、ここでも高橋が神懸り的なスーパーセーブを連発しゴールを死守する。この気迫が他の選手に乗り移ったのか、延長後半はベガルタも勢いを取り戻した。圧倒的な攻撃を見せていた浦和も、延長後半には足が止まりがちになる(とはいえ浦和は3日前にも試合を行っていたのだから、ここまで持ったのは驚異的だ)。最後の15分間、両軍とも気力と体力を振り絞り、死闘と呼ぶにふさわしい激しい応酬が続いた。ベガルタも延長後半10分、山田に変えて小林を投入し、最後まで勝ちにいく姿勢を見せた。試合は結局引き分けに終わったが、両軍サポーターの圧倒的な応援と、それに後押しされての選手達の気迫のこもったプレーの数々は素晴らしかった。今年一番の、いや、近年でも稀に見る大変な熱戦だったと思う。
[ボランティア記者:神林]